プリンス・オブ・ブロードウェイ

『ウエスト・サイド・ ストーリー』、『屋根の上のバイオリン弾き』、『キャバレー』、『オペラ座の怪人』・・・
観たことはなくても、誰もが作品名だけは知っているブロードウェイ・ミュージカルの数々を生み出した
演出家であり演劇プロデューサーでもある巨匠ハロルド・プリンス。
彼が手掛けた新作ミュージカル「『プリンス・オブ・ブロードウェイ』を観てきました。
 
実はこの公演、今年宝塚を卒業した星組トップだった柚希礼音の退団後初の舞台ということで、
タカラヅカや東宝ミュージカル系しか知らない私としては、彼女への興味で観に行ったわけであります。
 
しかし!そこに出演しているのは、ブロードウェイでは知らない人はいないというほどの主役級の
俳優さんたちばかり。無知とは恐ろしいものですが、「一流とは斯くあるべし!」ということを強烈に思い
知らされる舞台でした!
 
まずラミン・カリムルーという男優さんが最高!
あれ?この人見たことある・・・と記憶の糸を手繰ってみると、レ・ミゼラブルの25周年ロンドンコンサート
のとき、革命家アンジョルラスを演ってた人だ!
でも、実は『オペラ座の怪人』のファントム役が伝説になっていいる方だそう(^^;)
そのファントムとクリスティーヌの歌の場面もあり、すばらしい~~!
男性でこんなにも繊細に表現する人って、他にいるのだろうか・・・というほど、デクレシェンドが秀逸!
 
これは他の俳優さんたちにもいえることなのですが、なぜあんなに「さりげなく」歌うのに、発声が途切れず
感情がきちんと明確に伝わってくるのでしょうか?
 
クリスティーヌを演じたケイリー・アン・ヴォーヒーズは、本当に透き通った澄んだ歌声で、こういう歌声の
女優さんも、日本にはいないなあ・・・と。
冒頭の『ウエスト・サイド・ ストーリー』のマリアの「トゥナイト~♪トゥナイト~♪」の時点から、日本のミュージカル
との歴然の差に、ガッ!と心が鷲掴みにされてしまいました。
 
トニー・ヤズベックという男優さんは、2015年トニー賞主演男優賞ノミネートされているそうですが、この方の
タップが桁外れのスキルと表現力。引き込まれて瞬きできないぐらいすごい!
 
あと私が好き!と思えた人は、ブリヨーナ・マリー・バーハムという黒人の女優さん。引き倒されるような圧倒、
迫力の歌唱力。でもその笑顔ったら、もう人格者に間違いない!と思わせるすてきなオーラをもっています。
 
さらにジョシュ・グリセッティ という男優さんも、こういう声の人は日本人にはいないという感じの魅力的な声。
 
とにかくすべての出演者が「超一流オーラ」なのに、端役のアンサンブルまで自分達でこなす部分もあり、
(それを本人たちが楽しんでるのが伝わってくるのも心地よい)、「力み」というようなものを全く感じさせない
舞台に、「やっぱり本物を観なきゃだめだ~!」とつくづくモノを知らない自分を恥じた、濃厚なひとときで
ありました。
 
さて、お目当ての柚希礼音はというと・・・超一流のプロに混じり、自分がいかに井の中の蛙かということを
突きつけられて、内心悔しがっている彼女のイメージが浮かびました。
発声ひとつとっても、まるでレベルが違うのです。宝塚時代の後年は、ダンスだけでなく歌も頑張っていたのに
この恐ろしく出来る人たちの中に混ざると子供のよう…。声がスカスカ(涙)
 
ブロードウェイのスターたちの「濃厚なクリームのように詰まった声」は、トレーニングで出るようになるもの
なのでしょうか?
もしそうならば、努力家で負けん気のちえ(柚希礼音)には、これから世界に羽ばたいてほしいと願うばかり。。。
(※長くなるので次回へ続く)