広告コンセプト…「伝える」ことと「伝わる」ことは別|定性調査のことならRINGOにお任せください|定性調査・マーケティングリサーチ・インタビュー

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S社の化粧品ブランドのCMに対し、「女性差別」「セクハラ」との批判がネット上に出ていたことを受け、
そのCMのテレビ放映の
終了を決定したというニュースが。。。
既に放映はされていないけど、それこそネットに動画が貼りつけてあるので、どれどれ…と思って視てみました。

ふむふむ、なるほどね。
では、広告評価調査は星の数ほど経験しているマーケティングリサーチャー(ワタシです)の見解。

このCMのメインメッセージは、「生き方が、これからの顔になる。」
後半に、スーパーのボードで表現した部分です。 本来は、セクハラどころか、批判されているのとは逆の意図
なのに、そこを「スーパーの文字のみ」、「ノーナレーション」 で表現したことで、最も伝えるべき「肝」となる部分が
伝わらなかったというのが真相だと思います。
で、結果としては「前半の問題提起部分」だけがクローズアップされて、これを結論だと誤解され、まさに
「意図していない捉え方をする視聴者がいたことについては、非常に残念」という結果に。

【結論】 ひとえに、クリエイティブが上手くなかったということでしょう。

セットアップでは結構リアルな25歳ターゲットの気持ちを描いていて、そういう意味ではターゲットの
心理には寄り添ってはいるものの、後半のメインメッセージに行き着くまで見る側が待てないんですよね。
今の時代の生活者は、こらえ性がないというか(笑)、結論を急ぐというか・・・。 起承転結ではなく、
「起結」ぐらいの構成にして大事な部分を前段にもってこないと、最後まで見て理解する という悠長なことを
してくれない傾向があるのです。

事前に広告評価のグルインを2グループでもしていれば、このコンセプトが伝わらないことは、 すぐに
わかったはずだと思いますが・・(アズマはインタビューしないでも経験でわかるけどね)(笑)

まさかとは思いますが、大手メーカーにとって大した金額ではないのに、調査予算削ったなんてことは
ないですよね。(汗)
それとも、代理店の「結論ありき」の出来レースな調査をやったとか…(^^;)
仮にそうだったとしても、前段を結論と誤解する対象者は必ず何人かいたはずで、そこにピンときていれば
メインメッセージの伝え方には問題があり、表現を工夫すべきという報告は、ちゃんと分析できるモデレーター
やリサーチャーなら提案できたと思いますけどね。


ということで、涼しくなりましたので、ブログの更新を再開します!