患者満足度|定性調査のことならRINGOにお任せください|定性調査・マーケティングリサーチ・インタビュー

知人のお見舞いで大学病院に行ってきました。まだ新しい建物で、壁などに温かい色合いが使われていて
デザイン的にも柔らかいイメージの感じのよい病院でした。

知人曰く、食事も思った以上においしく、看護師さんもとてもよく気が利いて配慮があり、満足しているとの
ことでした。今の時代は医療機関もマーケティングの視点で患者満足度を高めるために色々工夫をしている
のでしょうね。

ただ話しを聞く中で、医療スタッフと患者との距離は、こういうところにあるのだろうなという点がひとつありました。
たとえば術前のインフォームド・コンセント。
「正しい情報を伝えられた上での合意」ということですが、「正しい」
という中味にはリスクの説明もあり、その中には「最悪の事態」も必ず含まれているので、命に別状のないような
手術でも、メンタル的にはドヨーンと重くなってしまうのですね。

特に麻酔の説明は結構コワイ。私も経験があるのでわかりますが、執刀医とは別に麻酔医から説明を受けた
時の方が「眠ったまま帰れなくなったらどうしよ・・・」と思ったものです。
で、彼女は両親との3人暮らしなので、もし万が一自分が、後遺症などで意思を確認できないような状態になった
時は延命措置をしないでほしいと、両親宛にメモを書いたそうです。

さらに、説明の時看護師さんもいて、そのスタッフの白衣に何か所か血痕があったそうです。(汗)大きなものでは
なかったそうですが、職業柄、血なんて日常茶飯事の看護師さんと違い、血の色に慣れていない患者である彼女は、
それを見てさらに不安感が強くなったそう・・・。

つまり、医療スタッフにとっては「日常、フツー、当たり前」のことが、患者にとっては「非日常(または初めて)、特別、
異例」のことなので、そこに温度差が生まれるわけですね。

医療の現場で働く方々は超多忙で頭が下がるほどなのですが(これは知人も言っていた)、システムとして、特に
術前のデリケートな場面では、患者のメンタルをフォローする仕組みがあるといいのにね・・・と話してきました。
「患者の立場に立つ」という医療マーケティングは、まだまだやるべきことがたくさんありそうです。